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思い出のレース#20

思い出のレース こんにちは、4回生スナイプスキッパーの中川です。 ヨットを始めて3年と数ヶ月が経過し、思い出深いレースは数多くあるのですが、その中でも特に印象に残っているものを紹介させていただきます。 入部直後のシングルハンドでの練習期間、僕は当時の一回生の中ではそこそこ上手な方で、よく先輩に褒められていました。自分でもその自覚があったのと、受験を通して膨れ上がった自尊心で僕は天狗になっていました。「頑張れば俺は何でも出来るようになるな、ウンウン」とか思いながら練習してました。 そんな時、全日本トッパー選手権の話が回ってきました。トッパーというレーザーより一回り小さいシングルハンドの大会ということで、ここで手柄を立てんと立候補しました。当時からライバル感のあった小塩も参加するので、ここらでぶっ倒してしんぜようと鼻息荒くしていました。2回生の嶋崎さんも参加すると聞き、ここで先輩倒したら僕の株は青天井ちゃうんかとかも思っていました。嶋崎さんすいません。嶋崎さんは嶋崎さんで天狗になっている僕らのことをぶちのめそうとしていたらしいです。 大会前日に軽風の中、初めてトッパーに乗りました。速く走れている感覚は全くありませんでしたが、何をどう改善したら良いかもわからず「言うて速いやつやでこれ」と信じて大会当日を迎えました。 大会当日、大人から子供まで様々な面々が出艇して行くのを見て、「ちびっこには負けられんな笑」と思っていました。しかしちびっこ速い。角度もスピードもちびっこが優っていました。ちびっこに上突破され、下突破され(正確には10艇身後ろから追いつかれそのまま上り殺されました)、最下位近くを走りました。おじさんたちは遥か先にいます。嶋崎さんも前の方にいます。僕の自尊心と高く高く伸びた鼻はバキバキに折れ始めました。こんなはずじゃ...と絶望する中、「そうだ、せめて小塩には勝とう」と思い、小塩を探し始めました。ランニングレグを走りながら、すでにフィニッシュラインを切り始めている艇団を眺めていると、その中に小塩の姿が。「何でお前がそこにいるんじゃ...」と悔しさのあまり声にもならない声をあげ、今までの人生の中で一番深く絶望しました。ちびっこや嶋崎さん、小塩に負けている悔しさと最下位近くを走っている姿を周りに晒し続けなければならない恥ずかしさで頭がおかしくなりそうでした。ギリギリを保っていた僕の心はここで完全に折れ、心底ヨットを辞めたくなりました。人生スイスイと生きてきた僕には、この敗北が初めての挫折となりました。 3年半とヨットを続けていると色々なレースを経験しますが、あれほど心を折られたレースは他にありません。その経験のおかげでレース中にどれだけメンタルブレイクしても、あのレースよりは辛くないと考えられるようになりました。心震えたレースもたくさんありますが、このレースは僕の中である意味の心の支えとなっています。 ちなみにトッパー選手権のレセプションは日本一です。下級生のみんなにはぜひ参加していただきたい。 

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