引退ブログ#5 野本集太
- kuyc-home

- 12月21日
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引退ブログ
お世話になっております、4回生470クルーの野本集太です。先日の江ノ島インカレで引退し早1ヶ月が経ちました。後輩のレース運営に行ったり部活尽くしではできなかったことを精一杯して引退ライフを楽しむ裏で、昨年のインカレから今年の引退にかけてのぐちゃぐちゃした様々な感情が次第に忘却・整理され、望んだ引退の形では全く無いにも関わらずヨットへの記憶は美化されていっています。
しかし美化されてもなお苦しかった4年間でした。そんな4年間の中で、自分が最後まで続けられたのは3年前の総合3位の景色をもう一度見たいという想いそれだけでした。スタメンもそうでない人も、先輩後輩クラス関係なく全員で笑顔で喜び合う先輩方の姿。当時一年生の自分から見えた景色は、自分が4年間部活を続けることの醍醐味・目標として写りました。
ですが自身は格段の成長を遂げられず、そうした目標との乖離が3年まで徐々に大きくなっていきました。3回生の自分は1年間、このヨット部にいる意味を見出せずにいました。実力も燻り、遠征メンバーから外れ何事にも期待されていなかった状況に無気力になり、ヨットをする意味を完全に失っていました。就活を自分の中での言い訳にして真面目にヨットに取り組まなかった自分に気色悪さを感じながら、耐えきれず89代で退部するつもりでした。
そんな自分が首の皮一枚繋げて続ける覚悟を決めたのは、期待や信頼をしてくれる同期がいて自分次第で居場所を見つけられそうだと思えたからです。とても感謝しています。それからは「このチームでクラス入賞・総合目標を達成する」ことへの気持ちが再び激ってきました。そこからは自分に何かできるのか・何を求められているのかの思考を反芻し続けました。この代の目標を「全日・個人戦出場&3,4番艇クルーとしてインカレでの目標達成に貢献する」ことに設定しました。また代替わりからオフまでのPPPは一年の、同志社ウィークはレースシーズンへの、レースシーズン・全日はインカレへの発射角度を決定づける正念場だと改めて設定して、がむしゃらに食らいついていきました。
しかし5月末に左肩を脱臼するという不測のアクシデントに見舞われ、結果として全日出場は無念に終わり個戦も実力不足で叶いませんでした。またインカレ1週間前のプラクティス最終レース2下で再脱臼し、インカレに間に合わないことが確定してここで自分のプレイヤー人生が終了しました。夏合宿中、藤田とのペアでお互いあまり上手くいかないことが多かったのですが、プラクティスの最終レースだけスタートから高く2上を80艇中20位前後で回れたので、それを怪我なくゴールしたらどれだけ藤田に良い思いをさせてあげられたのかと思うと残念でなりません。
一緒に乗ってくれた藤田・溝脇、ありがとう。
結局自分はインカレ本戦に出ることは叶いませんでしたが、このプロセスは何物にも代え難いものだと思っています。この一年続けて頑張って良かったです。これだけは確かです。唯一「できることを全力で」する気持ちは1年間切らさずにできました。毎回の出艇から着艇までだけですけど、1年間常に何かを考えて自分の考えられる最大限で船を前に出していくことに挑み続ける気概・意識、これだけは持てたのかなと思います。この経験を人生の糧にしていきたいです。
最後に。自分は怪我でインカレ出場が叶いませんでしたが、色んな事情や理由でヨットに向き合えない時がきたり自分の居場所を追われているような気持ちになることもあるかと思います。それは別に弱いことじゃありません。それを乗り越えるのは自分自身ですが、周りには目標や部活を共にする仲間がいます。是非自分だからこそ活躍できる居場所を見つけて、「部員全員で喜び合えるチーム」を今後の京大ヨット部で作り上げてください。
最後になりましたが、これまで支えてくださった監督・OB・コーチの方々。そして何より、応援し続けてくれた家族に感謝します。4年間、本当にありがとうございました。
京都大学 4年
野本集太

























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