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引退ブログ#17稲波智子


88代スナイプスキッパーの稲波智子です。


私はこれまで、自己紹介・ヨット部に入った理由・地元紹介・練習報告・女子イン・オフにやりたいこと、と6回ブログを書いてきましたが、これがとうとう最後のブログとなりました。


いざ引退ブログとなると、折角なので何か爪痕を残したいと思いつつ、浮かんでくるのは当たり障りのないことばかりで、これでは面白くないとまとめられずに困っていたらいつの間にか年が明けていました。このような事情により、最後の最後に提出が遅れてしまったことをここでお詫びします。


春合宿以降、進学準備のために休部していた私は、その後ほとんど部活に行っていないため、実質皆よりも半年早く引退していたといえます。そのため、11月に引退したという実感があまり湧きません。なんならそれ以降の方が部活に顔を出しているし部員とも会っているので、私はむしろ以前の日常に戻った感じがします。

引退ブログを書くにあたり、何をテーマにしようかと今までの部活動生活を思い返してみると、思い浮かぶのは全部、部活楽しかったな〜いい4年間だったな〜というふんわりとしたプラスの感情ばかりです。一番印象に残っていることは?と考えてみたけれど、無数にある思い出の中から一つには定まりません。最後のインカレでレースにも沖にも出なかったので、達成感も後悔も格別ないからなのかもしれません。かといって、どの練習・レースにもそれなりの熱量を持って臨み、頑張っていた自負はあるので、中途半端な気持ちで部活に参加していたわけではないと主張したいです。終わり良ければ総て良し、と言うように、辛い経験も苦い思い出も今となっては全て美化されたようです。


いい成績を取ってレースメンバーとして活躍したわけではない私は、一体ヨット部に入って何を成し遂げたのだろうかと考え込んでしまうことがあります。


私の大学生活からヨット部を取り除いてしまえば殆ど何も残りません。でも、逆に考えてみれば、そういえるぐらいにはヨット部にどっぷり浸かって、大学生にもなって無我夢中で部活に取り組めたということであり、唯一無二の思い出が残るだけで十分幸せなんじゃないか。部活に所属したことを正当化しようとする自分の必死な主張だと言われればそれまでかもしれませんが、それでも十分立派だと思うことにします。


部活漬けの生活に強い憧れを抱いていた私にとって、ヨット部での日常はそれ自体が自分の憧れを体現したものであり、それゆえ満足感とともに引退できているのだと思います。そう考えると、私の中で今でも一番鮮明に印象に残っているのは、ヨット部との運命的な出会いを果たした、新歓で見た光景かもしれません。あの日抱いた憧れは、部活への原動力であり続けました。


では何も悔いはないのかといわれると、それは嘘になります。


最後の半年ほど休部するという選択をしたのも、そうせざるを得なくなった原因を作ったのも全て自分だということは勿論承知しています。それでも、楽しそうな写真や動画の数々を見る度に、みんなの頑張りに感服するとともにそこに自分が写っていないことに寂しさを覚え、夏の遠征の思い出話が盛り上がっているのについていけないときに、少しだけ切なくなるのが正直な心境です。4年間のうちで最も密度の濃い期間の思い出を共有できないことが悔やまれます。


ブログに添える写真をどれにしようかと非常に迷うぐらいには、この4年間でたくさんの素敵な写真を撮ってもらい、非常に有難く感じています。被写体に慣れておらず表情もポーズもワンパターンな私でしたが、写真を撮ってもらうのは好きで、インスタに自分の写真を載せてもらえた時は嬉しい瞬間の一つでした。


その時々の思い出を切り取っている写真は、出来事や会話、思考、情景などを思い起こすことができるものであり、見返したら止まらなくなります。マネさんに写真を撮ってもらうことが多いですが、そこに写っている誰もが自然な笑顔だというのは、プレーヤー・マネージャーの垣根を超えた関係性の良さがレンズ越しに映し出されていると思います。今年の七大戦での写真が印象的で、そこに写っている全員が満ち満ちた表情をして輝いており、その場にいない私にまで充実感が画面越しに伝わってきました(あの時の回生写真、素敵ですよね。色々な所で使われるたびに、写っていない私は拗ねています)。


「今はまだヨットの操縦もままならないような状態ですが、あの時の決断が大正解だったと声を大にして言えるように、スナイプスキッパーとして頑張ります。これからよろしくお願いします。」


入部したての頃に書いた自己紹介ブログを、私はこのように締めていました。


ヨット部に入るというあの日の私の決断は、間違いなく大正解だったといえます。過去の自分には、部活への熱量はそのままに、もっとしっかり勉強して、バイトをするように!!!と声を掛けてあげたいです。


以上、ほわほわした文章でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。


私の学生生活がこんなにも充実していたのは、間違いなくヨット部のおかげです。そして、素敵な沢山の思い出を共有し、この先も変わらず仲良くできる素晴らしい人達に出会えたことが私にとっての何よりの財産です。この4年間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

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