思い出のレース #19
こんにちは。4回スナイプの太田です。
思えば沢山のレースに出場してきました。
初めてスナイプで出たレースは全く進まない下デッキの中、遥か彼方にある点のような黄色い上マークを目指し続けていました。
初めて同期と出たレースは記憶から消し去りたいほど後ろを走り続けました。
1年のインカレは陸で、2年のインカレはヨットで、3年のインカレはレスキューボートでレースに出ていました。
まあ、色々思い出に残るレースはあります。
折角の機会なので古いレースを振り返ってみたいと思ったので、僕の思い出レースの中でも2番目に古いレースの事を書かせて頂きます。スナイプクルーとしてのコース引きの礎となったレースです。
2017年プレプレ第4R
この時の自分はコースの引き方なんて座学でリフトを走れと言われた事くらいしか覚えておらず、とりあえずスタート前に自分が濃いと思う海面をスキッパーに伝えるので精一杯で、レース中なんてどこを見たらいいのかも分かってませんでした。
4R目、スタートの時点ではまだコースについて何も分かってません。スタート後、大きく左に出すコースが当たり、トップラインで走っているとき、風が振っているかを見るには上の船のバウの向きを見るといい、そしてバウが自分に向いている時にタックすれば伸びれるということを教わりました。それは圧倒的な知見でした。風がどっちに振っているかなんて見える訳がないと思っていた折、船の角度という可視的な情報で振れを判断できるという知見。確かに座学で習っていたかもしれませんが、それが沖での情報と結びついた瞬間でした。この瞬間、コースを引くということは自分が伸びるコースを当てるということ、そしてその伸び方を知っていなければならないことを強く知りました。コース引きの能力が0から1になった瞬間でした。
ヨットに限らずですが、色んな場面で1を2や10にするのは個人の努力によるものが大きいと思っているのですが、0を1にするのは、周りの人間がいかにわかりやすく伝えるかが大きいと思っています。1回生のこの時期にその能力を1にできたことは、非常に恵まれていたと思います。僕も後輩の0を1にする手伝いをしたいものです。