思い出のレース #18

June 11, 2020

    こんにちは。三回生スナイプスキッパーの大山です。自粛生活が始まったかと思うと、はやいものでもう6月になりましたね。憂鬱な梅雨の季節がやってきました。2年前のこの頃は、同期には絶対負けたくないという一心でホッパーに乗り、1年前は同期の定田と「うまくなるしかない!」と前だけをみて、先輩に追いつこうと必死だったように思います。

 思い出のレースが2つあってかなり迷ったのですが、去年の強風メイレガッタについて書こうと思います。同期の定田とのペアが決まってから、個人戦の予選に向けてレガッタごとに成長できるよう頑張ろうと意気込んでいました。四大戦では軽風域での戦い方を吸収し、いい順位で回航できることもあって、帆走もある程度自分たちの形を見つけ始めていました。次のレガッタは、社会人の方も含めて多くの艇数が参加するメイレガッタということで、スタートをしっかり出て足りない部分が見えるようなレースをしようと話したのを覚えています。

週の半ばぐらいになると、だいたいレースのコンディションが予想されるわけですが、今度のメイレは強風予報らしいぞと。初心者同士の同期と強風の中レースをするというのは、初めてのことであり、予想以上に恐怖を感じていました。いざレースが始まると、スタートに並べない。密集した中で、アビームを流すだけで精いっぱいのような状態に心理的には近かったような気がします。強風の中船を止めていられる自信は、こんな心理状態の自分にはもちろんなく、本部船付近で待機し、第2線になってもいいからタックしてフレッシュを帆走しようという逃げのスタートを繰り返していました。並ぼうとしてもスタートラインまでなかなかついていけないことがほとんどでした。ボートスピードも強風になると上位の船との差が大きくなっていたのはもちろん、船を進ませることだけで精一杯な二人は、コースも単調になり、オーバーセールしたり、動作を決められないこともあったように思います。圧倒的にボートスピードが足りていないのか、コースで差をつけられたのか、どこで何が起こっているかも把握できないようなレースをしてしまっていました。

そんな中迎えた最終レース。風が下に振っていると二人で一致した後、下寄りからスタートしようということで並び始めました。スタート40秒ぐらい前に、上の船が止まってルームが大きくあいたのが見えました。ぎりぎりなんとか並んでいた自分は、ここしかないと思いツータックを打ちました。強風の中ポートになった瞬間は恐怖しかなかったですが、船が上に向いて止まらないようにだけ考えて必死にタックを返しなおしたところ、下に振れたおかげでラインは低く、ルームも存分にある状態で、アウターを見ながら最高のスタートを切りました。スタート後一瞬は(少なくとも気持ちのなかでは)1位でした。ここしかないぞ!全てをかけて反るぞ!と声を掛け合って、必死で上マークを目指しました。2分ぐらいは走れたと思います。はるか上の社会人艇がだんだんかぶさってきて、下でとびぬけた同志社の松尾さんが目の前を横切っていきます。しだいにフレッシュをとれなくなり、レグの半分で自由には走れなくなりました。風のとれる位置と、定田のブローの見え方を頼りになんとか走ると、1上は半分手前ぐらいで回ったと思います。その後は、風が一気に上がってきて、今までに経験したことのないような強風の中、なんとか沈しないことに必死でした。

 技術も何もかも未熟なところだらけでしたが、一瞬のアジリティと攻める気持ちがひとつ殻をやぶれたような気がします。どの部分でどれぐらい足りていなくて、どのようにレースが展開されているのかというのを強風のなかで感じることができました。こういう経験を積むことで、ヨットレースを知っていくのだと今では思えます。強風に対する恐怖感や苦手意識は、琵琶湖で練習する初心者の人には多いのかなと思います。正直この頃はかなり苦手意識がありました。もちろん、練習のなかで技術を身に着けて自信をつけるしかないのですが、いざレースになったらその時もっているものを信じて突っ込むべきです。逃げていても、得られるものは何もないです。これは、自分への反省であり、戒めであり、下級生の未経験者へ伝えたいことでもあります。1レース、1レグ、1ブローたりとも、妥協の気持ちを見せずに、攻める気持ちで向かっていきましょう。

 同期のスナイプスキッパーの村山のブログを読んで、自粛明け突っ走っていけるように頑張ろうと思いなおすことができました。刺激しあえるような熱い仲間がそろった京大ヨット部が、これからさらに強く良いチームになっていけるよう、その一員として精一杯ヨットと向き合っていきたいと思います。

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