思い出のレース#21
こんにちは。3回生スナイプクルーの長塚です。 大学でのヨット生活も3年目を迎え、良かったレースも悪かったレースもたくさん経験してきました。新人戦でダントツトップからのOCSだったレースや全日本インカレでの高木さんとのトップホーンなど、色んな印象に残るレースがありました。その中でも特に残っている、今年の琵琶湖選手権について書きたいと思います。 琵琶湖選手権は、僕が2回生の時に優勝し、初めて琵琶湖の大会で表彰された、個人的に思い入れのあるレガッタです。当然、今年も良い成績を取ろうという意気込みがありました。さらに、去年の全日本スナイプでの悔しさを今年は果たしたいという思いもあったので、出場権をとりたいという気持ちは人一倍強かったように思います。 迎えたレース初日はほぼ終日風がなく、リミットぎりぎりに入ってきた南風で1レースのみ消化しました。このレースでは、左からしかブローが入って来ず、右海面にいた僕らはいきなりカットレースとなるような二桁の順位を叩いてしまいます。2日目の風はかなり弱い予報で、十分なレース数をこなせない可能性が高く、この時点で全日本スナイプへの出場は危うい状態になってしまいます。このレガッタにかける思いの強さからか、ひたすら悔しくて悔しくて、誰とも話したくなくて、その日の夜はMTGをさぼって琵琶湖のほとりを1人であてもなく歩いてたような気がします。予選突破の望みはほぼありませんでしたが、なんとか次の日も頑張ろうという気になってその日を終えます。 レース2日目は予報通りの微風でのスタート。かなりの下スタでスタート直後にほぼ全艇タックする展開でした。僕らは下目からスタートし、すぐさまタックを返しましたが、スピードが悪く一個上の艇に被されてタックを余儀なくされます。その後も他艇に被されることが多く、どんどん左海面の端に出す良くない展開になります。気がづいたら風軸が右に大きく振って、右艇団がはるかに高い位置を走っています。この1日目のデジャブのような光景を前に、もはや挽回不可能なことを察して、その場でレースをリタイアしたいと思ったのを覚えています。今までのレースではどんな位置を走ろうとも、自分のベストを尽くすだけだと思って腐ることなく走りきりましたし、ましてリタイヤしたいなどとは一度も思ったことありませんでした。しかしこの時だけは、レースを途中で投げ出したくなるくらい理性がぶっ飛んでしまいした。ただただ悔しくて、情けなくて、ペアの小塩さんに申し訳なくて、涙を抑えることができませんでした。レース中に泣いたのはこれが初めてで、今までのレガッタで最も心が折れた瞬間でした。 このレガッタの後、いろいろな人に助けてもらって立ち直ることができ、今は来たる全日本個人戦と団体戦に向かって練習に励んでいます。次は悔し涙じゃなく、嬉し涙を流せるように、悔いのないよう最後まで突っ走りたいと思います。