インカレ個人戦
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- 10月10日
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平素よりお世話になっております。4回生スナイプスキッパーの鈴木亮太朗です。8/28-8/31にかけて、愛知県蒲郡・豊田自動織機 海陽ヨットハーバーでおこなわれました、2025年度全日本学生ヨット個人選手権の報告をさせていただきます。
470チームからは上中玉木組・熊川金子組、スナイプチームからは鈴木岨組の計3ペアが出場しました。3日間を通して2-18knotの風で合計8レースが実施されました。最終的には、上中玉木組14位、熊川金子組41位、鈴木岨組1位という結果で終わりました。
以下、自艇の報告をさせていただきます。
結果として優勝できたものの、その道のりは決して平坦ではありませんでした。優勝という結果は多くの方々の支えがあって取れたものです。ご支援くださった皆様に心より感謝申し上げます。
本番は岨と出場しましたが、当初は半年ペアを組んでいた山田と出場予定でした。しかし葉山合宿で山田の腰が痛み、20日に予定していた蒲郡入りの日程が急遽変更に。調整期間が4日減ることは大きな打撃でした。僕は短期間で器用に結果を出せる人間ではありません。目標に対して今の自分の実力をありのままに捉え、人より長い時間をかけて一つ一つ努力を積み上げるタイプです。とはいえ嘆いても何も始まりません。山田には腰の回復に全力を尽くすよう伝えつつ、回復しなかった場合の新クルー探しをしました。かなり迷いましたが、同期クルーの岨に決めました。
山田の診断書を握りしめ、予定より4日遅れの24日に蒲郡入り。大会前日にクルー変更が正式に決定。限られた時間の中でいかに結果を出すかが求められました。①帆走を仕上げ切ること②ヨットレースをするにあたり最低限必要な擦り合わせの2つに焦点を絞り、レース5分前まで調整。レースの中でも、如何にボートを加速させるかに集中しました。
1日目。6-12knotの風で2レースを実施。ブリーフィング後は風が無く、昼前まで風待ちをして出艇。470がゼネリコを繰り返し、スナイプの3レース目はキャンセル。道具の準備が不十分なため思うような帆走が出来ず、苦しい展開が続きます。5-13というイマイチな順位で初日を終えました。フリート全体を見ても2レースをまとめた艇は少なく難しいコンディション。1上で前に出れなくても、やるべきことを淡々とこなし、カットにはならない使える点数を2つ付けることが初日としての鍵でした。
2日目。10-18knotの風で4レースを実施。朝から風は入っているものの、北西寄りの風と南寄りの風がぶつかり1時間海上待機。その後、昼過ぎからようやく軸が安定。帆走力の差が大きく出るコンディションの中、1.4kmという長いレグ長で行われました。①帆走力それ自体②風量のわりに不安定な振れの中で、自分の帆走力にあったレーススタイルを選択できるか否かの2つが鍵でした。トップ艇団は2つに分かれます。①大きな海面選択とスタートで正しくリスクをとり、左奥の強い風に乗って前に出ようとする艇団と、②帆走力に自信があり、スタートから堅い展開をする数艇。海面に対する上マーク位置や時間帯によって軸が大きく変わる影響で、必ずしも左が勝たないコンディション。自艇はトップ艇団の中では軽量なものの艇速に自信があり、自分のスタイルを貫ける1日でした。1-3-1-4とまとめ、2位に10点差をつけて2日目を終えました。
3日目。2-8knotの風で2レースを実施。朝から風量は入り出しているものの、風向は不安定。アジアプレ大会との兼ね合いで、最終日のみ海面が変更。全艇事前情報が無い特殊な状況でした。極限の緊張状態の中でも、自分を信じていつもと同じ事をやり切れるかどうかが勝負の分かれ目でした。1レース目、自分らしいレースが出来ず28位と出遅れます。この時点で、1位鈴木艇27点・2位服部艇27点・3位向井艇30点。上位3艇が3点差におり、全艇が大きなカットレースを抱えている。つまり、最終レースの着順で全てが決まるという状況でした。悩みに悩みましたが、結局自分達らしいレースをしようと決め、最終レースをスタート。風の神様も味方をしてくれて、2位フィニッシュ。2年前の忘れ物を回収し、何とか優勝しきることができました。
個人戦が終わり、いよいよ団体戦に向けたラストスパートが始まります。チームで成果を出すのは、個人で成果を出すのに比べて難易度が桁違いに高いです。変数がぐっと増え、スポーツが違うくらい難易度が変わります。全員が全員同じ強度で頑張れる訳ではありませんし、対価が発生しない以上それを強要することも違います。仮に同じ成果を出していたとしても、たどり着き方もかかる時間も違います。追いかけている個人目標も違えば、今もっている武器も違う。学年が違えば今年で終わりという大きな前提すら変わってくる。モチベーションに左右されながら取り組んでいる人もいれば、プロ意識高く気持ちとは切り離して取り組んでいる人もいる。そんな個が集まる組織が、一つの目標に向かって正しく勝ち筋を描き、それを実行し結果を出し切ることは容易ではありません。
「この部活を去る未来の自分は、何を手にし何を想いながら卒業するのか。それを考えると、ワクワクが止まりません。」
入部当初の僕はこんなことを書いていました。胸を張って卒業できるよう、目の前の一秒一秒に妥協せず残りの日々を全力で走り抜けます。
団体戦も変わらぬご声援のほど、よろしくお願い申し上げます。

























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